【患者さんからの暴力】を看護師としてどのように考えるか話します

暴力THOUGHT
ナースマン

看護師をしていると、患者さんからの暴言・暴力を受ける瞬間があります。

医療者も一人の人間、身体だけではなく、心も傷ついています。


 

どのような人に向けての記事か

・実際に暴力を受けたことがある医療者さん

・患者から暴言・暴力を受けそうな環境で働いている医療者さん

・医療者に暴力をしたことがある人

 

ナースマン

この記事を読むと、暴力を受ける医療者の気持ちがわかります

看護師として働く中で、僕が患者から暴力を受けた経験を話します

とある男性のてんかん患者さんが外泊から帰ってきました。

その患者は大部屋を一人で使っており、セキュリティの意味合いで外泊中は部屋のカギを閉めていました。

外泊から帰って来たその患者は、なぜカギを閉めているんだ!と逆上し、近くにいた看護助手に、今にも殴り掛かりそうな状況でした。

他患者の家族がその状況を教えてくれ、僕は駆け付けました。

「どうされましたか?」と患者に声を掛けると、何の返答もないうちに、いきなり殴り掛かってきたのです。


てんかん患者さんは、ときに疾患の影響で易怒性が高まることがあります。

何度ももみ合いになりながら、男性医師2名と自分、女性看護師とで取り押さえ、薬剤により鎮静を行いました。女性看護師も1名顔面を殴られています。


暴力を受けた医療者は何を思うのか

暴力を受けた直後は、自身も興奮しているため、自身の気持ちに気づけないこともありますが、徐々に、恐怖を感じ、なぜ自分が暴力を受けなくてはならないのかとショックを受ける人もいます。

身体に傷が残る場合もあります。

最近では、患者にCDケースの破片で腕を傷つけられた女性看護師もいました。

患者は弱い立場と言われますが、実は医療者も弱い立場にいるのです。

傷をつけられても、暴言を吐かれても、病気の患者がしたことだからと・・・我慢をすることが多いです。

逆に、医療者は患者を加害者にしてしまった自分を責めることさえあります。

世の中、患者が医療者に暴力をしても、大きなニュースにはなりませんが、医療者が暴力を行えば、それは、すぐにニュース沙汰になります。仕方のない問題とは思いつつも、あまりにも多い患者からの暴言・暴力に対し、精神を病む医療者もいます。


「患者の命と安全を守ろうとしているのに、その患者から暴言・暴力を受ける」

このことに、心を傷めずにはいられません。

もちろん、意識障害などがあり、周りで何が起きているかわからぬまま、恐怖の中で医療者へ手を出してしまう患者もいますので、そのような場合はどうしようもありません。


ただ、世の中には、様々な人間がいます。病気が原因ではなく、性格傾向であったり、育ってきた環境が要因で、簡単に他者に手を出してしまう人間も存在するのです。

自分自身で身を守らなければ、いけないと感じています。

実際に暴力を受けた後の対処

ナースマン

暴言・暴力を受けた医療者は、先ほども話した通り、様々な感情にとらわれます。

・患者に暴力を奮わせてしまったのは、自分の対応が悪かったからではないか
・どうして、自分がこんな仕打ちを受けなくてはならないのか
・怖い・・・
気持ちの整理が、少しずつ付いてきたら、信頼のおける同僚に自身の思いや話を聞いてもらうことをお勧めします。聴く側は、話し手を責めるようなことはせず傾聴をしてあげてください。その中で、少しずつ状況を振り返ることが大切です。
また、状況によっては、暴力をしてしまった患者の思いを聞くことも必要です。
暴力をしてしまったことを振り返り、傷ついてしまっている患者もいます。
(なんとも思わない人も中にはいますが・・・)

看護師も患者も互いに思いやりを持って接することが大切です

こんなこと、基本中の基本ではありますが、看護師、患者共に一人の人間です。

「思いやり」「礼節」を持って接することが必要です。

そして、患者だから暴言・暴力は許されると思わないで下さい。

暴力行為は「犯罪」です。

許されるべきことではありません。

あなたのことを一生懸命に看護している側の気持ちを考えたことがありますか?暴力をさせてしまった自分を責めるぐらい、温かい気持ちで看護をしている看護師さんが、世の中にはいるんです。

まとめ

今回は、患者さんからの暴力について、看護師としてどう考えるかについてお話しさせていただきました。

それでは^^


 

 

 

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