本日は、精神科患者さんからの電話についてお話しします。
精神科患者さんは、どのような内容の相談をしてくると思いますか?
どのような人に向けての記事か
・精神科患者さんはどのような相談をしてくるのか
・精神科看護師はどのように電話対応を行っているのか
精神科病棟では、日中の外来業務が終わった後、
病棟で外来の電話対応を行っています。この記事を読むと、
精神科患者さんがどのような内容の電話をしてくるのか知ることができます。
精神科患者さんが病棟に電話をかけてくる理由
・内服薬/頓用薬についての相談
これはとても多い相談です。外来で出された薬が合わない、もう1錠だけ頓用薬を使ってもよいか?外来の受診に行けなかったので、薬を処方してくれないか?等の相談です。これに関しては、目的がハッキリしているため、対処は簡単な方です。看護師が対処するというよりも、医師が対処することが多い相談となります。
・眠れない、不安が強い
これもよくある相談です。精神科患者さんは、僕のイメージとして、睡眠の質にこだわる方が多いような気がします。客観的にみると、もうドロドロでフラフラな状況であるにも関わらず、追加の不眠時薬を希望するということがあります。また、不安についても多くの相談があります。これに関しては、理由があるものから、漠然とした不安まで理由は様々です。不安時薬の相談をすることで対処できることもありますが、患者自身もどうしてよいのかわからず・・・ということも多いため、その時の状況に合わせて対処を検討する必要があります。
・話を聞いて欲しい
これも多い電話です。内容は自身の状況から恋愛話まで様々。また、統合失調症の患者などでは、幻覚や妄想に影響された内容を話してくることもあるため、話の内容によっては、病気が増悪していることがわかるため、状況によっては、緊急で入院が必要なこともあります。傾聴をする関りが必要なため、看護師もそれぞれのコミュニケーション能力が試されます。
・入院をしたい
普通は入院をしたいと思う人はいないと思います。しかし、精神科患者さんに関しては、病院という環境が休まる場所になることも多く、入院を希望する患者さんも多くみられます。しかし、夜間帯は、切迫するような緊急な状況でないかぎり、入院とはならないので、患者さんは簡単にいつでも入院できると思わないで下さいね・・・(苦笑)
・死にたい、今、自殺しようと思っている、薬の過量内服をしました
これは緊急性を要する相談です。「死にたい」と相談してくるレベルでは、それを相手に伝えてくる状況を考えると、まだ自身から助けを求めているため、対処ができることが多いです。本当に死にたいと思っている人は、誰にも伝えず、実施することが多いためです。(人に知られると失敗する可能性が高いからですね)
薬の過量内服もよくあります。内服した薬や量によっては、胃洗浄などをする必要性もあるので、来院してもらい診察をする必要があります。ちなみに胃洗浄はメチャメチャ苦しいですよ。
「今、睡眠薬を飲んで川に入っています」と連絡をしてきた人がいましたが、さすがに怖かったことを覚えています。
・救急隊からの連絡
救急隊から連絡が来たときは、諦めます・・・笑 受け入れて診察をすることがほとんどのためです。
電話対応における精神科看護師の対応について
「受容・傾聴・共感」の3つが基本であると考えています。
まずは、しっかりと相手の話を聞きます。考えや思いを肯定も否定もせずに、患者の思いを傾聴します。
そして、あからさまに否定はしません。もし、死にたいというのなら、まずは、そのように思った経緯を聞き、その辛さを受け止めます。そのうえで「死ぬな!」と一方的に言うのではなく、「私は、あなたが死んでしまったら悲しいし、辛いです」と自身のメッセージを伝えます。
実は、電話をかけてくるという行為は、患者自身も悩みに悩んで、最後のSOSの場として連絡してくるのだと思います。電話で話を「受容・共感・傾聴」する中で、自傷や死を防いだり、不安で調子が悪くなることをとめられるのであれば、これも看護の1つなのかもしれないと思うのでした。
まとめ
今回は「精神科患者さんからかかってくる電話対応についてお話しします」というテーマで話しました。
それでは^^
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