Twitterに流れる新人看護師さん達の「つぶやき」をみていると、病棟が辛いという悲痛な叫びがよく流れてきて、心を傷めることがあります。今記事では、11年間看護師を続けてきた僕の歩みと共に、考え方を話していきます。
どのような人に向けての記事か
・職場の環境が辛くて、看護師をやめようか迷っている人
・11年間、看護師を続けてきたヨウの考えを知りたい人
大学時代に祖父の死をきっかけに看護師を目指した
僕が看護師になろうと決めたきっかけは、祖父の死でした。
僕が大学3年生のとき、末期の食道がんでホスピスケアを受けていた祖父の死を目の当りにし、看護師になることを決めました。
大学在学中から、東京アカデミーに通い勉強を開始。
受験を経て、大学卒業と共に看護専門学校に入ったのです。
5歳も歳の離れた女の子や数名の男子メンバーと共に、3年間、1つの学び舎で勉強を続けました。
そして、晴れて国家試験に合格することとなります。
苦しかった脳神経外科での7年間
某大学病院に就職後は、院内で一番過酷と言われる脳神経外科・神経内科での混合病棟で、約7年間、死に物狂いで看護を行ってきました。
この時期は長くも思えたし、今考えると自分の人生において、かなり苦しかった7年間でもありました。
最近、Twitterを見ていると、新人看護師のつぶやきが目立ちます。「病棟が辛過ぎて、もう辞めたい・・・」
僕もこの7年間においては、心身ともに追い込まれ過ぎて、仕事以外は、誰とも会いたくない、どこにも行かない・・・休みは、なんとなく家で寝ている・・・みたいな期間がありました。
今思うと、抑うつ状態だったのかもしれません。
ここで辞めたら、どこへ行ってもお終いだ!自分からは逃げないと心に決めていた
もっと柔軟に他科へローテーションをするとか、職場を変える等の方法もあったのかもしれません。
しかし、それを行うことは「自分の決めた人生から逃げることになる」と思っていました。
何がそうさせたかはわかりませんが、自分からは絶対に逃げないと決め、とにかく続けました。
忙しい環境下、先輩たちの雰囲気も鬼気迫るものがありました。挨拶をしても返ってこないとか、一度、ターゲットになってしまうと、陰口もあるし、師長、副師長からも出来ないレッテルを張り付けられ、さらに厳しい環境となります。
病棟は一つの組織である
ここで思うのが病棟は1つの組織であるということです。
何か間違ったことを行っていたとしても、上司・部下共に、「それは間違っている!」と発言する人がいなければ、それは、その組織において当たり前のこととなり、おかしなことが行われていたとしても通ってしまうのです。
何が辛かったのか、考えてみます
- 長時間の勤務
- 患者の命を扱う責任の重さ
- 病棟の人間関係
- 上司にも辛さは届かない
- 先輩からの出来ないレッテルを張りつけられたとき(ターゲットとなってしまったとき)
まずは、物理的に人員が足りていなく、長時間の勤務(残業)が当たり前となっていました。日勤では、8時前に出勤後、帰宅が21時過ぎ何ていうのもザラでした。
患者の命を扱う責任の中、先輩たちもピリピリとした緊張感の中で働いており、社会人としての通常の人間関係を求めることは難しくなってきます。とくに新人であるというだけで、様々な標的になってしまい、もしも、仕事ができないレッテルを張り付けられてしまうと、副師長、師長にさえ、同じ目で見られてしまい、そのレッテルを覆すことは難しくなります。
入職時、同期は4名いました。
1年目は、同期の一人がターゲットととなり、2年目を迎える直前にローテーションでいなくなりました。
2~3年目にかけては、もう一人の同期がターゲットとなり、いなくなりました。
その後、ターゲットが僕に降りてくることとなるのです。
ターゲットとなると、指導が厳しくなります。上司はすべてのことに目を光らせ、師長の評価も、その先輩スタッフの目から見る内容が、ほぼ、そのまま引き継がれることになるのです。
どのようにして、その辛い時期を乗り越えたのか
先ほども話しましたが、自分から辞めるということは
「自分の決めた人生から逃げることになる」と思っていました。
どうしたかというと、
自分の価値を信じ、とにかく、まっすぐに努力しました。進み続けたのです。
これが良い方法なのかはわかりません。しかし、僕はひたすら耐え前に進み続けました。
気づけば、挨拶さえ返さないプリセプターも、陰口を言っていた上司も辞めていきました。今はいません。
僕の方が、看護師経験も上になっています。
その後、師長より、そろそろローテーションはどうか?と話しが来ました。考えてもよいと言われましたが、チャンスだと思い、即答で受けたのです。
辛かった経験があるから、今がある
精神科に移ってきてからは、その辛かった経験も生きています。
手術患者が来たとしても、化学療法があったとしても、怖さは感じません。脳外科で嫌と言う程、やってきたからです。
定時で帰ることができて、手術もない、休みがある、スタッフが穏やかである、気持ちに余裕ができた僕は、今、伸び伸びと働かせていただいています。
でも、余裕ができたからと言って、甘んじてはいません。
何かを学ぶチャンスがあるときは、人一倍勉強もして、研修などにも参加しています。
今は、新人を教える立場になっていますが、辛かった経験がある僕は、今まさに、その辛さの真っただ中にいる新人看護師の気持ちを理解し、少しでも改善できる方法を一緒に考えたい、同じ目線になって、助けたいと思っています。
上の立場にいる人でも、クソ野郎はたくさんいる
患者に優しくできるのに、自分の同業者に優しくできないやつは、クソ野郎です。
そう、長年組織に属し、上の立場にいると、部下の気持ちがわからなくなったり、間違った行動や言動も正してくれる人がいなくなるため、気づけていないのだと思います。
でも、クソ野郎ばかりではないです。
本当に、素敵な上司も数多くいます。そのような上司からは、良いところを学び取ってください。
そしていつかは、新人に同じような苦しい思いをさせないために、あなたが上司になってください。
まとめ
同じ環境、辛さが続くことは絶対にありません。
続けてさえいれば、必ず、違う景色が見えるはずです。
自分の価値を信じるならば、前に進み続けて欲しいなと思うのでした。
さいごに、
でも・・・ほんとにつらい時は辞めてもいいということも覚えておいてください。
要は、人生において、自分が何を大切にするかということです。
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